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手塚治虫著 名作『火の鳥』(宇宙編)まとめ・感想

前回の「乱世編」に引き続き今回は

火の鳥 宇宙編」のまとめ・感想を記したいと思います。

 

 

an-books.hatenablog.com

 

 

手塚治虫著 名作『火の鳥』(宇宙編)まとめ・感想

 

火の鳥』作品説明

1954年から手塚治虫がライフワークとして発表してきた漫画作品である『火の鳥』。

 

古代から未来、地球や宇宙を舞台に人間や生命の本質について

不死鳥とされる「火の鳥」と関わり翻弄され続ける人間模様を描いた作品です。

 

「黎明編」「未来編」「大和編」「鳳凰編」「復活編」「望郷編」「乱世編」「宇宙編」「太陽編」と複数の編から成り立っており、全てが1つの物語で完結しています。

 

過去と未来を行き来しており、作品全体で無限の輪廻転生を表した作りになっている本作。

 

不死とは何か?

幸せとは何か?

人間とは何か?

生きるとは何か?

 

いつの時代においても変わらない人間のテーマや苦悩に寄り添う作品です。

 

『宇宙編』ストーリー

手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、「ヤマト編」に続いて雑誌「COM」に発表された第4作目です。
 西暦2577年、ペテルギウス第3惑星ザルツから地球へ向かって出発した宇宙船が、宇宙塵に衝突して故障してしまいました。 そして人工冬眠から目ざめた4人の隊員たちが見たのは、見張り役の牧村隊員のミイラでした。隊員たちは各自、ひとり乗りの救命ボートで脱出し、無線で牧村の死の謎について語り合っていると、死んだはずの牧村のボートがあとを追ってきました。 やがて、隊長のボートが脱落して、猿田、ナナのふたりと、牧村のボートだけが謎の星に不時着しました。 猿田は、そこで出会った鳥人・フレミル星人の女から、牧村の秘密を聞きました。 牧村は永遠に生と死を繰り返す罰を受けた宇宙の罪人であり、その星は、囚人たちが島流しにされる流刑星だったのです。
手塚治虫オフィシャルサイトより)https://tezukaosamu.net/jp/manga/393.html

 

『宇宙編』感想

「ぼくはころされる」と書き残された遺体から始まる今作。

 

サスペンス調でコマ割りが斬新なのがとても面白いのですが、

誰一人幸せにならない悲しい結末に胸が苦しくなりました。

 

宇宙空間での疑心暗鬼の恐ろしさ、

一度失った信用は簡単には取り返せないこと、

人道を外れて人を殺そうとすることの愚かさ。

 

バッドエンドではありますが、大切なことがここにもちゃんと描かれている様に思いました。

 

こんな楽しいコマ割りにこんな深い想いが込められているとは…。

本当に、手塚治虫先生恐るべしです!

 

 

おわりに

火の鳥の中でも人気の「宇宙編」。

 

死ぬことよりも若返って生き続けなければいけない罰の苦しさ、

人の道を外れずに生きることの大切さなど、

 

色々考えさせられ確実に胸に刻み込まれる今作を是非読んでみてください。