手塚治虫著 名作『火の鳥』(黎明編)まとめ・感想
名作『火の鳥』あなたは読んだことがありますか?
読んだことのない人は、昔の漫画だからと食わず嫌いせず是非読んでみてください。
昔から人間の本質というのは変わりません。
生きること、人間とは何か。
答えのない問いに振り回される登場人物たちを第三者目線で観察してみると
見えて来るものがあるかもしれません。
今回から数回に渡り、
『火の鳥』のまとめ・感想を記しと思います。
手塚治虫著 名作『火の鳥』(黎明編)まとめ・感想・考察
『火の鳥』作品説明
1954年から手塚治虫がライフワークとして発表してきた漫画作品である『火の鳥』。
古代から未来、地球や宇宙を舞台に人間や生命の本質について
不死鳥とされる「火の鳥」と関わり翻弄され続ける人間模様を描いた作品です。
「黎明編」「未来編」「大和編」「鳳凰編」「復活編」「望郷編」「乱世編」「宇宙編」「太陽編」と複数の編から成り立っており、全てが1つの物語で完結しています。
過去と未来を行き来しており、作品全体で無限の輪廻転生を表した作りになっている本作。
不死とは何か?
幸せとは何か?
人間とは何か?
生きるとは何か?
いつの時代においても変わらない人間のテーマ苦悩に寄り添う作品です。
『黎明編』ストーリー
まだ日本という名前がどこにもなかったころ……火の山のふもとの村にナギという少年がいました。ある日、村へ流れついたグズリという医者が、ナギの姉ヒナクと結婚します。しかしグズリは、実はヤマタイ国の女王・ヒミコのスパイだったのです。その夜、猿田彦を隊長とするヒミコの軍勢が村へおしよせ、村は全滅してしまいました猿田彦はナギを捕らえて奴隷にし、腕のたつ狩り部に仕立て上げます猿田彦はナギに、火の山にすむ火の鳥を射止めさせようと思っていたのです。その生き血を飲むと、不老不死になれると信じられていた火の鳥。人々は、その火の鳥の生き血をめぐって、みにくい争いをくりひろげるのでした。
(手塚治虫オフィシャルサイトより)https://tezukaosamu.net/jp/manga/403.html
『黎明編』感想
古代ならではの戦や争いが顕著で、
自分の欲望を満たすための争いを厭わない人々の醜さにとても悲しい思いがしました。
どうして人は今ある幸せで満足しないんだろう?
どうして長生きすることが幸せだと思い込んでしまうのだろう?
どうして権力者の言いなりになって自分の頭で考えようとしないんだろう?
どうして一つの命のために他の命を犠牲にできるのだろう?
どうして命の重さが平等ではないんだろう?
と考えさせられました。
そこから、それらと対比する
人を許すことの大切さ、
置かれた環境下でも諦めず未来へ希望を持つことの素晴らしさ、
他人であっても無償で与える愛の美しさ、
を感じることができました。
何よりも生と死、怒りや悲しみが蔓延する中での
「好きだ」という一言の重みが深く心に染みる黎明編でした。
おわりに
人間の愚かさ、浅ましさは昔から共通の課題であるということ。
人を許し、愛を与え今を感謝して生きることができるということは
それらを乗り越える手段にもなり得るということ。
生きていれば何度だってチャンスは来ます。
日本の神話から成り立った黎明編。
今の私たちに必要なものは何だろうか?と考えさせられる作品でした。
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