本とわたしの時間

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『天狗』

 

はじめに

今昔百鬼拾遺

3ヶ月連続出版の最終作である今作。

今回も私が敬愛する、京極夏彦先生の作品『天狗』を紹介します。 

 

 

 

1作目『鬼』と2作目『河童』も過去に紹介しているので

よければそちらもご覧ください。

an-books.hatenablog.com

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天狗

あらすじ 

昭和二十九年八月、是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い―。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリー。(「BOOK」データベースより)
 
 
 

感想(※ネタバレ注意)

切ない。
 
ただただ切ない。
 
 
怒りと哀しみが入り混じる作品でした。
 
 
登場人物が女性だらけで関係ないように思う人達が繋がってくる
後半の追い込みがさすがでした。
 
 
 
そして同性愛や女性蔑視に関する内容に
普段私自身が思っている事を主人公達が代弁してくれたように思いスッキリしました。
 
 
思い込みの倫理観や道徳観は悲劇を生みます。
 
 
誰も幸せにならない言わば「モヤモヤが残る」終わり方でしたが、
あぁ面白かったと読み応えを感じること間違いなしです。
 
 
 
 
 ミステリー好きには是非読んでもらいたい一作です。
 
 
 
 
 

おわりに

思い込みが激しく自分の価値観を押し付けてくる人、
 
自分を大きく見せるために威張る人、
 
何事も勝ち負けで判断する人、
 
 
あなたはこんな人間のクズになりませんように。
 
 
 
もっともっと自由が選択できる世になる事を祈っています。
 
 
 
 
 
 
あー面白かった。
 
さぁ、次はなにを読もうかなぁ。