本とわたしの時間

まとめ・考察ログ
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バターはどこへ溶けた?

 

はじめに

幸せとはなんでしょう?

 

人それぞれ個性があり考えがあるからこそ

幸せを感じる場面は異なるものですよね。

 

 

ただ、大きなジャンルで見てみましょう。

 

 

人間にとっての幸せとはなんでしょう?

 

 

今回は精神論ともとれるこの問いについて

考えたいと思います。

 

 

バターはどこへ溶けた?

このタイトルを見た時に気付く人は気付くと思うのですが

有名なスペンサージョンソン氏が書いた本とかなり類似しています。

そちらのタイトルは『チーズはどこへ消えた?』です。

 

前にこのブログでも紹介しています。

↓      ↓      ↓
an-books.hatenablog.com

 

 

てっきり同じ作者の作品かと思いきや

全く違うディーン・リップルウッドというお坊さんが書いたそうな。

 

ストーリー的にもかなり似てい流のですが

結論は全く違うように感じました。

 

 

ストーリー

2匹のネコと2匹のキツネ

お互いにとってバターは幸せの象徴であるものです。

のんびり屋のネコと狡猾なキツネはそれぞれ

違う考えのもとバターを求めます。

 

 

キツネ

キツネにとってバターは毎日の食料以上の意味があります。

幸福そのものであり、野心なのです。

なくなったらすぐにそれを探します。

幸福は勝ち取るものだと思いがちです。

 

上昇志向で目標達成を生きがいにしている、

そういう人達は猜疑心(人の言動を疑うこと)が強いものです。

 

社会においても人を蹴落としてまで上に行こうとする

欲深い人達はこの分類ですね。 

 

 

ネコ

ネコにとって怠け道に精進出来ることが幸せなのです。

なくなったものはしかたがないと諦め、

事態が変わるのをただ待っているだけの日々。

 

疲れたら休む。

なにもしないをする。

特に自分からは行動を起こさず、

どちらかというと受け身なタイプです。 

 

この本ではこちら側の目線が主となっています。

 

 

 

バターはどう捉えるべき?

今までキツネとネコとして生きていてそれはそれでよかったのに、

『バター』の登場が幸せの基準を変えてしまいました。

 

バターがあれば嬉しい、幸せ。

という感情を知ってしまったからこそ

無くなったとたん不安を感じ、忘れることが出来なくなったのです。

 

 

私たちは貪欲に生きることを推奨された世の中に生かされています。

お金を稼ぎ金持ちになった人が勝ち!と言わんばかりの社会です。

 

 

キツネとネコにとってのバターは

我々人間にとってのお金に匹敵するのではないでしょうか。

 

 

 

本当の宝は出会うものだ

勝ち取ったり奪い取ったりする幸せは失う恐怖が付きまとうものです。

なくて当たり前、あればラッキーと思うくらいが丁度いいとこの本では説いています。

 

 

かけがえのない本当の宝とは、

辛いときや自分に何もなくなったとき、

だれもいなくなったときにふと心に浮かぶものなのです。

 

慣れてしまいその幸せを憎み遠ざけていたもの程

思い出されるものなのです。

 

 

 

 

結論

ネコであることがネコの幸せです。

キツネに憧れキツネになろうとしたところで

ネコでしかないのです。

 

理想を追い求め、恐怖に追い立てられ

他者を羨み、自分を卑下するのではなく

自分自身を謳歌することの方が賢明なのです。

 

 

頑張れ!負けるな!といわれ育った人こそそう思いがちですが、

向上や前進はかけがえのないものも失う可能性があるのです。

 

 

一度立ち止まって

自分自身の体や心が求める真の幸せを思い出してみるのもいいかもしれません。

 

新しい幸せを探しに行く前に、

今ある幸せを感じる余裕を心に持ちたいものですね。

 

 

おわりに

確かなものなどないものです。

 

しかし、これだけは言えます。

 

心から楽しみ、

移りゆく物事のすばらしさを知り、

足を止めてしっかり自分を見つめ、

自分らしくあり、

ありふれた幸せに気づく。

 

それが大事だと。

 

 

 

 

チーズはどこへ消えた?』も好きですが、

こちらはこちらで仏教的な人間の本質について方ってあり面白いと感じました。

 

興味がある方は是非比較してみてください。

 

どちらも薄い本なのですぐに読めるかと思います。

 

 

 

 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。