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人間失格

 

はじめに 

有名な日本文学とは数多くあるもので。 

 

中でも有名なものの一つに『人間失格』があげられると思います。

 

誰しもが一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか?

 

 

 

タイトルから分かるように決して明るい作品ではありません。

 

ではなぜ未だに人の心を掴んで離さないのでしょうか?

 

 

 

知っている人も、一度も読んだことのない人も

改めて名作に触れてみませんか?

 

 

今回は日本文学の代表である『人間失格』を読み解きたいと思います。

 

 

 

人間失格

ではまず、人間失格と聞いてどういう事を思い浮かべますか?

 

 

人間として生まれた上で失格という烙印を押されるとは

相当な事をしでかしたのではないかと想像がつくと思います。

 

 

ではどんな事をしたというのでしょう? 

 

 

あらすじ

「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていた。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代から始まり、次々と女性と関わっては自殺未遂をくり返し、薬物におぼれ狂人と化したその姿はもはや人間、失格。

 

解説

つらつら並べましたが結局一言でいうと、 

「女を取っ替え引っ替えするメンヘラモテ男が勝手に自分の不幸を嘆く話」

なのです。

 

 

女性が読むと「は?」と思ってしまうことが多分に含まれてます。

ほんと時代特有のものかもしれませんが女性軽視が甚だしく

個人的に気分のいい本ではありません。

 

 

でもいつの時代も主人公のような

こーゆー男はモテるんですよね。

自分の全ては語らず、なんだかほっとけない( ※ イケメンに限る )

母性本能をくすぐるタイプなのでしょうか?

 

 

それでいて自ら不幸になる道を突き進んでいく

病的に救いようのない人なのです。

 

 

 

感想

この話が未だに名作として語り継がれている理由に

太宰治の並外れた表現力があげられることと思います。

 

 

人間の心理や葛藤、本性をここまで生々しく描くかと思うほどに

ズイズイえぐってくるのです。

 

 

読んでて苦しくなる人もいるかもしれませんが

人間として失格レベルの人がいるということで

その狂人ぶりを味わい自分はまだ大丈夫と安堵したい方にはおすすめです。

 

 

学生の頃に読んだ衝撃とはまた違ったものを感じ取れると思うので

大人になってから改めて読み直すこともオススメしたいものです。

 

 

 

気味が悪いけどクセになるそんな作品なのです。

 

 

 

太宰治

作者である太宰治、彼自身もとても有名です。 

この『人間失格』はまさに彼の自伝であり遺書であったとも言われています。

なぜなら作品完成の1か月後、彼は自らの命を断ったから。

 

 

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しかし、この一作だけで彼自身を判断しないで欲しいものです。

 

 

 

このブログでもそのうち詳しく紹介したいと思っているのですが

私自身以前、太宰の家や生前の彼を知る人に話を聞いたことがあります。

 

 

人間失格のイメージがつきすぎていて

主人公に太宰を重ねがちだが、

本来の太宰治は明るい人だったという情報を得ています。

 

 

あまりにも作品が有名になりすぎてしまったため

彼自身が飲み込まれてしまったのかもしれません。

 

 

そういう意味でもこの作品の持つ力は

本当に計り知れない恐ろしいものなのです。

 

 

 

おわりに

人間が人間でいる資格を失うこと。

やはりそれは相当な事なのです。

 

 

一人の人間が廃人になるとはどういうことか。

太宰の表現力と共に是非目の当たりにして欲しいものです。

 

 

いつまでたっても色褪せず、

色々考えさせられてしまう辺りが永遠の名作である所以なのでしょう。 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。