本とわたしの時間

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日日是好日

 日日是好日

 

座右の銘はありますか?

 

常に意識して自分の戒めや励みにする格言ですね。

「小さなことからコツコツと」

「継続は力なり」

「笑う門には福来たる」

などなどあげていったらキリがないですね。

 

私は一つ挙げるとしたら『日日是好日』です。

まず、読み方は『にちにちこれこうじつ』です。

『ひびこれこうじつ』と読むこともあるそうです。

 

読めたらなんでもいいのかも知れませんが、

禅の教えを多分にひいている茶道を嗜んだ身としては、

にちにちこれこうじつ】がしっくり来るものです。

 

 

意味

漢字を見て、意味はわかるでしょうか?

五分の三が「日」という漢字ですね。珍しい。

それだけ1日を大切にすると言うこと。

 

分かりやすく言うと、

毎日、今日が一番素晴らしい日」 

 ということです。

 

晴れの日があれば雨の日があるし、

辛いことや悲しいことはたくさんあるけど

全てを受け入れるということですね。

 

どんな毎日にも意味があります。

今を精一杯生きることでこの時が一番素晴らしいんだ!

と思える懐の余裕を持ちたいものですね。

 

サムライの武士道精神のように

日々を丁寧に謙虚で生きる日本人の心に

ぴったりな言葉ではでしょうか。

 

 

 

小説:『日日是好日 ーお茶が教えてくれた15のしあわせ

著者 森下典子さんが描く「お茶」と生き方についての体験記です。

 

数年前にお茶の先生からオススメされて読み始め心がすっとした一冊です。

最近では、黒木華さんや樹木希林さん出演で

映画化されてとても有名になっていましたね。

f:id:anImai:20190207145205j:plain(C)2018「日日是好日」製作委員会

映画の方も個人的に心を鷲掴みにされ、

ついお茶の先生に連絡してしまった程でした。

 

 

内容
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる…季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。
(「BOOK」データベースより)

 

いまだに多くの人が

「お茶ってつまんないもの」

と思っているのが現実です。

 

その原因の一つが心で感じるものだから。

伝えるということが難しいのです。

文字にしたってそう。

いかに丁寧に説明したところで陳腐なものになってしまいます。

 

それをこの小説は覆したと思います。

ベストセラーを叩き出したのですからね!

茶道関係の書物からは想像もつかなかったことだと思います。

 

「お茶ってどうなの?」

と聞かれると私はこの本を進める様にしています。

 

作者の実体験を元に面白く、分かりやすく描かれているので

若い人でも全くお茶を知らない人でも気軽に茶道に触れられる

機会を与えてくれているように感じる一冊です。

 

 

茶道を通した生き方

まず、茶道とは

お抹茶を点てて「結構なお手前で」と言うだけもの

と世間的に思われているかもしれません。

 

実は一言で表すと、

小さな部屋で起こる精神の大冒険

なのです。

 

頭で考えるのではなく、

五感を使って全身でその瞬間を味わうのです。

 

日々の忙しい生活では疎かにしがちな

日常の余白を大切にする場所であり、

自分が自分に帰れる場所なのです。

 

はじめにきっちりと型を教わり、そこに心を入れていく

後になってそういうことだったのか!と気づく

精神修行の一つと言っても過言ではないでしょう。

 

小さい子供のように

日本の四季を目で見て、音で聞いて、肌で感じる

五感をフル稼働し、感動を味わった記憶は残っていますか?

 

一期一会を大切に誠心誠意、真剣に

お茶と向き合うことで見えてくることが必ずあります。

 

当たり前のことを当たり前にすることの贅沢を

この『日日是好日』で体感してみて欲しいものです。

 

おわりに

作法に心構えが含まれた茶道。

禅宗の思想が含まれている分、

お茶といえど精神論のようになってしまうものです。

 

たかが一服のお茶を点てる為に続けるお稽古。

そこに何があるのか、

何が見えるのか 、

 

だからこそ奥が深いお茶の世界は面白いのです。

機会があったら茶道にも触れていただきたいものです。 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。