本とわたしの時間

まとめ・考察ログ
MENU

死神

はじめに

人の欲というものは尽きないものです。

 

 

お金が欲しいと思いお金を集めるともっと欲しくなる。

 

可愛い子と付き合いたいと思って付き合えてしまうと

もっともっと可愛い子と付き合いたいと思うものです。

 

 

欲に飲み込まれた人ほど破滅してしまいがちです。

 

 

より良い人生を送りたいというその一心が

アダとなることがあります。

 

 

 

今回は古典落語で有名な『死神』という話を取り上げたいと思います。

 

 

 

死神

これまた有名な話ですがここまで毎回ゾクッとさせられるものは少ないと思います。

落語をあまり知らない人にこそ知って欲しい古典落語の一つです。

 

あらすじ

どんな重病人であっても死神が足元に座っていればまだ寿命で死ぬことはなく、枕元に死神が座っている場合はどんな場合も死んでしまうという。それを知り、医者となった男は大金に目が眩み死神を裏切り死を課せられてしまう。自分の命の蝋燭に火を継ぎ足そうとするが… 

 

解説

あらすじを読むと

あぁ、こんなものかと思われがちかもしれません。

 

 

しかし、落語家さんによってオチも違えば雰囲気も違う。

中々に衝撃を与えてくれるであろう今作なのです。

 

 

 

人は悲しいことにお金に縛られています。

お金があれば幸せだという幻想に取り憑かれています。

不幸の原因はお金がないことにあると思う人があまりに多いものです。

 

 

自分の求める幸せへの手段としてのお金ではなく

お金=幸せ

と考えてしまっている人の多くは悪知恵を働かせてでも大金を得ようとするものです。

 

 

 

たとえそれが自分の命がかかったものだったとしても。

 

 

 

人間の欲深さをあざ笑う滑稽話がここにあります。

 

 

 

感想

笑い話で終わるものが多い中、ぞくっとするこの話はお気に入りの一つです。

 

落語でも漫画でもアニメでも絵本でも色んな形態で形を変えて入り込める『死神』。

 

 

金か命か

どちらを選ぶかと言われれば言わずもがなですよね。

 

しかしそれでも欲を捨てきれず破滅する人がいます。

 

 

そうはならない為にも戒めの為にも、

命と死を意識させられるこのような話が好まれ語り継がれるのだろうなと思います。

 

 

 

オススメ

漫画化され、アニメとしても今回紹介した『死神』を楽しめる

昭和元禄落語心中』こちらも入りやすくかなり面白いのでオススメです。

マンガ↓

アニメ↓


Kikuhiko Rakugos 'Shinigami' - Shouwa Genroku Rakugo Shinjuu

 

 

おわりに

死神というのは人の生死を司る神様なのでしょうか。

 

 

そんな万能の神と欲深い人間とが関わってしまったら

いいことが起きるはずがないものです。

 

 

 

願わくば、特別長生きしたいとも言わないので

自分の人生を全うする為にも

そっとしておいて欲しいものです。

 

 

 

欲は浅く、心は清くですね。

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。