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四季の名言 秋冬

春夏編より

こちらも良ければご覧ください。

 

an-books.hatenablog.com

 

 

 

四季の名言

『奥山に紅葉踏み分け鳴く蛍』太閤秀吉

天下をとり、我儘極まりない性格の秀吉。

鳴かないはずの蛍でさえ「鳴け」と命ずれば鳴くはずだと答えたそうです。

 

紅葉を踏み分けて鳴く蛍。

中々に化け物ですよね?

 

 

『秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる』藤原敏行

秋がきた!とははっきりとは分かりませんが、

風の音でハッと気付かされたというもの。

昔の人は風の音に秋を感じていたものです。

 

 

風立ちぬ、いざ生きめやも。』堀辰雄

風がたった、さぁ生きていこう。

これは一種の愛の告白でありプロポーズなのです。

いちいちロマンチックですよね。

 

 

『沈黙の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った。』森鴎外

京都の罪人は島流しになるときこの高瀬舟に乗せられるという。

罪人と護送する同心の二人、

長い船旅での間どんな気持ちだったのでしょうか。 

 

 

 

『無能無才にしてこの一筋につながる。』松尾芭蕉

色んな仕事や住む場所を転々とした松尾芭蕉

結局は好きな俳句に惹かれ、俳人として生きることになりました。

 

たとえすごい才能はなくても、

ずっと続けられる何かがあればそれだけでいいのです。 

 

 

 

『酔うて酔うて氷くだいて星を呑む』小西来山

無能無芸でいつも酔っていては風邪ひとつ引く暇がなかった作者。

真冬にも酔い潰れるまで飲んでいる様子が思い浮かばれるものです。

 

 

『徳は狐ならず、必ず隣り有り。』孔子

徳を身につけた人は孤独ではなく、

必ず理解者や共感者がいるというもの。

 

徳という真っ当さ、誠実さは身を助けるものなのです。

 

 

『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて涼しかりけり』道元禅師

昔の人は今以上に四季を楽しんで生きてきたもの。

四季の風物を並べ何気ない日常の大切さを示しています。

 

 

『ある霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり』樋口一葉

 『たけくらべ』の結びの言葉。

僧侶になるためおいて別れた水仙のつくり花。

若く淡い恋心が見事に表現されているものです。

 

 

『やは肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君』与謝野晶子

燃えるような私の肌に触れないで淡々と人生を語るなんて寂しくないの?

と挑発的でセクシーかつセンスのあるセリフです。

 

11人子供を産み、たくさんの作品を残した肉食系女子ならではの言葉ですね。

 

 

 

『僕の涙で必ず月は曇らして見せる』尾崎紅葉

 月が雲ればどこかで僕が泣いていると思ってくれ!

という執念が籠った別れ言葉です。

 

金色夜叉』の一節で、以降1/17が雲れば「貫一曇り」と呼ばれたそうです。

 

 

 

おわりに

人間が多種多様であるように、

感じ方も多種多様であり、

言葉もそれはそれは多種多様なものです。

 

 

どことなく四季を感じる言葉たちに

いつしか感情移入している自分がいたかと思います。

 

 

四季を大切にする日本人の感性を大切に

後世まで引き継いでいきたいものです。

 

 

 

 さぁ、次は何を読もうかなぁ。