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すてきな三にんぐみ

はじめに

悪そうに見える人、

怖そうな人が

 

親切だったり

優しく微笑むだけで

 

あの人はいいひとだと言われるものです。

 

 

ギャップこそが印象を根強く残す要因となるものです。

 

 

今回はトラウマになるレベルに怖い表紙の

すてきな三にんぐみ』という絵本を紹介します。

 

 

すてきな三にんぐみ

あらすじ

黒いマントに黒いぼうしの、こわーい泥棒三人組。次々と馬車を襲っては奪った財宝をかくれがにため込みます。ある夜三人組が襲った馬車に乗っていた、みなしごのティファニーちゃん。いじわるなおばさんに引き取られるくらいならと三人組に付いてきます。そんなティファニーちゃんとの交流から三人組の行動が変わりはじめます。

 

 

 

解説

あからさまに三人が悪者と認識させる恐ろしい表紙から始まる今作。

 

黒づくめで目つきの悪さから悪い人だと勝手に感じさせられるものです。

 

これでいて泥棒というからびっくり。

日本人が想像する泥棒とは全く違いますよね?

 

こっそり盗まず正面から堂々とお宝をいただく、

いわば山賊のような位置付けの彼ら。

 

 

長年そんな生き方をしていた彼らにも人間の心が残っていたようで

ティファニーちゃんという子との出会いによって三人組の生き方が大きく変わります。

 

この出会いによって

三人組もそうですが、

 

ティファニーちゃんをはじめ

みなしご達まで

多くの人生が変わりだします。

 

 

こんな人生が180°変わってしまうような素敵な出会いをしてみたいものですね。 

 

 

勝手に考察

なぜ三人組は盗みをしていたのか

略奪するはいいが目的は明確ではなかった財宝達。

彼らは奪った財宝を隠れ家に溜め込んでいました。 

 

 

奪うことだけに目的を持っていたことが気になります。

 

生きていくために財宝を奪うのではなく

溜め込む為に奪う心理とはどういったものでしょうか?

 

・自己顕示欲

・優越感

・孤独感

・不安感

 

これらがまずは挙げられるでしょう。

 

結局人は寂しさを抱え生きているものです。

彼らにとっての拠り所は

 

他人を恐怖に陥れ、

財宝を奪うこと。

 

そしてそれらを集めた時に

達成感や満足感を感じていたのだと推測するのです。

 

 

それがティファニーちゃんと出会ったことで

生きる糧が彼女に変わったということ。

 

 

彼らにとって寂しさから気をそらす方法が

盗みしかなかったということなのです。

 

三人組の正体とは

広い視野で考えてみると

彼らがしたことは

 

金持ちのお金を奪い

みなしごに家を与えたということ。

 

金持ちの所で止まっているお金や財産を動かしたと言えます。

 

では、なぜその善意がみなしごに向けられたのでしょう?

 

 

彼ら自体がみなしごだったのではないでしょうか。

 

 

消えない孤独や不安を背負い、

自分たちを蔑んできた世間や金持ちへの恨みによる

窃盗行為と捉えるとなんだかしっくりくるものなのです。

 

 

 

児童虐待について考えてみる

物語の鍵となったティファニーちゃん。

 

意地悪なおばあさんの所に連れていかれる所を偶然にも連れ去られ

結局は幸せな暮らしをすることになった彼女も数奇な運命の持ち主ですね。

 

もし、三人組が現れなかったらどうなっていたでしょう?

 

すでに意地悪が確定しているおばあさんと幸せに暮らせたでしょうか?

 

 

例えば、虐待にも種類があります。

「身体的虐待」「精神的虐待」「ネグレクト」

 

虐待を受けた子供は生きていく為に耐えるしか道がないのです。

 

 

しかし、そこに三人組は道を与えたのです。

 

 

誘拐という犯罪ではありますが、

彼女に選択する権利を与えたといっても過言じゃありません。

 

 

それが功を奏して、

ティファニーちゃんは幸せを選び取る事が出来たのです。

 

  

 

おわりに

いい人?悪い人?

結局、三にんぐみは

いい人だったのでしょうか?

悪い人だったのでしょうか?

 

 

財産を盗まれた人からすると悪い人。

みなしごからするといい人。

 

 

まとめると、

たとえ昔は悪さをしてたとしても

考えや行動を改め、

いい行いに身を投じ、

多くの人から感謝される成果をあげた人は

 

きっと素敵な人になりえるのでしょう。

 

 

 

 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。