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手塚治虫著 名作『火の鳥』(太陽編)まとめ・感想

前回の「宇宙編」に引き続き今回は

火の鳥 太陽編」のまとめ・感想を記したいと思います。

 

an-books.hatenablog.com

 

 

 

手塚治虫著 名作『火の鳥』(太陽編)まとめ・感想

 

火の鳥』作品説明

1954年から手塚治虫がライフワークとして発表してきた漫画作品である『火の鳥』。

 

古代から未来、地球や宇宙を舞台に人間や生命の本質について

不死鳥とされる「火の鳥」と関わり翻弄され続ける人間模様を描いた作品です。

 

「黎明編」「未来編」「大和編」「鳳凰編」「復活編」「望郷編」「乱世編」「宇宙編」「太陽編」と複数の編から成り立っており、全てが1つの物語で完結しています。

 

過去と未来を行き来しており、作品全体で無限の輪廻転生を表した作りになっている本作。

 

不死とは何か?

幸せとは何か?

人間とは何か?

生きるとは何か?

 

いつの時代においても変わらない人間のテーマや苦悩に寄り添う作品です。

 

『太陽編』ストーリー

手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第12部で、実質的な最終話となった作品です。
 西暦663年、白村江(はくすきのえ、現・韓国中世部の川=錦江のこと)の戦いで唐・新羅連合軍に惨敗した倭・百済軍は敗走を重ねていました。 百済王一族の兵士・ハリマは、唐軍に捕らえられ、生きながらに顔の皮をはがれ、狼の皮を被せられてしまいました。 狼の顔を持ったハリマは、不思議な老婆に助けられ、老婆の予言を信じて倭国へと渡りました。 倭というのは7世紀以前の日本の呼び名のことです。その倭国でハリマは、狗族という先住者たちと出会いました。 狗族は、かつては人間から産土神として崇められていましたが、仏教の台頭によって魔物とされ、人里を追われて山奥にひっそりと暮らしていたのです。 その狗族の族長ルベツの信頼を得たハリマは、一族のために力を貸すことを誓いました。 そのハリマは、狼の皮を被せられて以来、悪夢に悩まされていました。 そして次第に、自分以外のもうひとりの自分の存在を確信していきます。ハリマの精神は、21世紀に生きるシャドーのエージェント・板東スグルの精神でもあったのです。 21世紀の日本では、火の鳥を神と崇拝する宗教団体光が地上を支配し、地上から追われたシャドーたちとの抗争がつづいていました。そしてそれは、まるで仏教と産土神たちとの争いのようでもあったのです。

『太陽編』感想

宗教の対立がテーマの太陽編。

過去の主人公と未来の主人公が行き来し、ワクワクさせられ続ける超大作です。

 

顔の皮を剥がされ狼の顔を被された重い宿命を背負いながらも

誠実にまっすぐ生きていく主人公の生き方が素晴らしいかったです。

 

他人を恨むでもなく、とにかく人のために自分ができる全てで尽くすという生き方が

過去でも未来でも支持される生き方なんだなと感じました。

 

異形編で傷を負った化け物たちが来た理由もここで明かされ、

人間だけでなく、宗教や教団、守護神や守り神など

昔より人間が信じ崇めてきたものが集結されている様にも思いました。

 

信仰というのは自由で何が正しくて何が間違っているわけでもないので

人に強いり権力で押さえ込む事は不可能であり、とても愚かだと感じました。

 

 

 

おわりに

手塚治虫先生の手によって描かれた最後の作品である「火の鳥太陽編」。

亡くなる前年まで描き続けた彼がここで何を伝えたかったのか、

 

マンガの価値や可能性を広めた作品を是非手に取って読んでみてください。