本とわたしの時間

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君たちはどう生きる

 

 はじめに

昭和12年といえば、

歌手の美空ひばりが生まれた年です。

 

日中戦争が始まり

ヘレンケラーが来日したりと

歴史の教科書にもう紹介されてしまっているくらいの頃、

 

 

一冊の本が出版されました。

 

 

 

君たちはどう生きるか』です。

 

このタイトルに見覚えはありませんか?

 

 

去年はどこの本屋に行ってもオススメ本として推奨されていました。

2018年1番売れたと言われている本です。 

1937年に出版され約80年の時を経て

漫画として帰ってきた1冊。  

 

何がここまで世代を越えて人の心を掴むのでしょうか。

 

 

君たちはどう生きる

 

あらすじを少しご紹介します。

  

あらすじ
旧制中学校に通う15歳の少年コペル君、本名は本田潤一。二年前に銀行の重役であったお父さんを亡くし、今は郊外の小ぢんまりとした家に母親とお手伝いさんと暮らしている。コペル君はある時、家によく遊びに来る母の弟である叔父さんから一冊のノートを渡される。そこには過去に、叔父さんや友人と話したり、考えたりした、さまざまな出来事が記され、それに対する叔父さんからのメッセージが綴られていた。天文学、化学、物理学、経済学、英雄譚……叔父さんとの対話を続けるうち、コペル君はものの見方や貧困、差別といった社会の構造、人間関係について学ぶ。そして、親友たちとの間に“ある事件”を起こしたコペル君は「どう生きるか」について深く問いかけられることになる。                   © 1945-2019 MAGAZINE HOUSE CO., LTD.

 

中学生だと誰しも経験し得る自分との葛藤や人間関係と言った

大人への成長に必要なもどかしさを語った本作。

 

ここでキーマンとなる大人が出てきて

助けるわけでもなく、ただアドバイスを与えます。

自分の人生を自分で考えることの大切さを説いていると感じました。

 

 

解説 

子供の問題を考え、助言できる大人が身近にいるでしょうか?

 

例えば子供同士の喧嘩があったとして、

過保護な親だと相手が悪いと喚き立てるでしょう。

それは論外。

 

先生でさえもいじめを見逃しているニュースが多い昨今。

どうすべきかちゃんと子供の頭を使って考えさせ、

子供たちで解決するようアドバイスできる大人はいるのでしょうか?

 

本書では中学生を通して私たちに

 

・色んな視点からものを考える

・人間としての道徳部分を見つめ直す

・自分を生きる

 

これらのことを教えてくれます。

 

 

それこそ小学生から立派な大人まで

読みやすく日常に役立つ情報が盛り込まれていると思います。

 

人間関係に悩む現代人も多いでしょう。

その皆に頼りになる大人がいたとは限りません。

そんな時に本書の叔父さんは色んなヒントを与えてくれます。

 

ただし、ヒントのみです。

 

自分で考えることが大切だからです。

 

こんな時代だからこそ人間として生きていくヒントを

叔父さんに求めている現代人が多いからベストセラーと言われるほどの

売り上げを叩き出したのかもしれませんね。

 

一読の価値ありだと思います。

 

 

感想

やはりここで一番感じたことは時代だなぁと言うこと。

戦時中と言うこともあり、はっきり言って暗いです。

 

貧困は勿論のこと、手紙で大事な話をしたり

スマホ片手にSNSを使いこなす今の子どもには

別世界の話と感じるだろうなと思ってしまいます。

 

ただいいこともあります。

近所づきあいもですが、子供の近くに相談できる大人がいるということ。

大人が直接介入せずともアドバイスを与えられる環境があるということ。

 

現代では親戚づきあいでさえ薄く核家族化が進んでいるので

子供は親の正しい意見を聞くならまだしも、

スマホやテレビからの情報を大人の意見として受け入れてしまうでしょう。

 

社会を変えることは難しいので、

取捨選択をする力を身につけ

自分で作り上げた自分の人生を強く生きていって欲しいものです。

 

おわりに

小説や漫画といえど、

書かれている内容は自己啓発の部類だと感じました。

 

誰だって後悔自己嫌悪が心に残っていますよね?

そこから何を学びましたか?

今後どうすればいいと思いましたか?

 

出来事は過去のものでしかありません。

そこから未来の自分の為に何を学ぶか

 

それが大切なのです。 

 

大人になったって日々が学びなのです。 

学ばなくなった段階で人間は老い始めます。

 

自分の人生をちゃんと自分で考え、

自分の足でしっかり歩んでいきましょう。

 

 

 

 

さぁ、次は何を読もうかなぁ。